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テイラーの定理というものについて説明します。証明方法はwikiに載っている積分形の余剰項の導出を参考に(パクらせて)させていただきました。ロルの定理を使ったりテイラー展開の形を推測して余剰項を決定しなくていいので採用します。積分の平均値の定理を導出する必要がありますが、よく見るコーシーの余剰項に式変形もできます。
テイラーの定理
区間\(I=[x,a]\)もしくは、\(I=[x,a]\)において、\(C^r\)級(\(r\ge1\))である写像\(f:\mathbb{R}\to\mathbb{R}\)について、
\[f(x)=f(a)+\sum_{i=1}^{r-1}\frac{f^{(i)}(a)}{i!}(x-a)^i+\int_a^x\frac{f^{(r)}(t)}{(r-1)!}(x-t)^{r-1}dt\]
が成り立つ。
上記の\(f^{(k)}(a)\)は、関数\(f(x)\)において、\(x\)の\(k\)階微分に\(x=a\)を代入した値です。ではテイラーの定理示していきましょう。微分積分学の基本定理からスタートします。
\[f(x)=f(a)+\int_a^xf^{(1)}(t)dt\tag{1}\]
\(-f^{(1)}(t)(x-t)\)の微分が、\(-f^{(2)}(t)(x-t)+f^{(1)}(t)\)であることから、
\[\int_a^xf^{(1)}(t)dt=-\int_a^x\frac{d}{dt}\{f^{(1)}(t)(x-t)\}dt+\int_a^x\{f^{(2)}(t)(x-t)\}dt\]
\[\int_a^xf^{(1)}(t)dt=f^{(1)}(t)(x-a)+\int_a^xf^{(2)}(t)(x-t)dt\]
これを(1)に代入します。
\[f(x)=f(a)+f^{(1)}(a)(x-a)+\int_a^xf^{(2)}(t)(x-t)dt\]
この部分積分のような操作を\(r\)回続けます。\(n\le r\)について、余剰項\(R_n\)を
\[R_n=\int_a^x\frac{f^{(n)}(t)}{(n-1)!}(x-t)^{n-1}dt\]
とします。
\[f^{(n)}(t)\frac{(x-t)^{n-1}}{(n-1)!}=-\frac{d}{dt}\left\{f^{(n)}(t)\frac{(x-t)^{n}}{n!}\right\}+f^{(n+1)}(t)\frac{(x-t)^{n}}{n!}\]
が成り立ちます。\(t\)を変数として両辺を\(a\)から\(x\)まで積分すれば、
\[R_n=\frac{f^{(n)}(a)}{n!}(x-a)^n+R_{n+1}\]
以上から、
\[f(x)=f(a)+\frac{f^{(1)}(a)}{1!}(x-a)+R_2\]
\[f(x)=f(a)+\frac{f^{(1)}(a)}{1!}(x-a)+\frac{f^{(2)}(a)}{2!}(x-a)^2+R_3\]
\[\cdots\]
\[f(x)=f(a)+\sum_{i=1}^{r-1}\frac{f^{(i)}(a)}{i!}(x-a)^i+\int_a^x\frac{f^{(r)}(t)}{(r-1)!}(x-a)^{r-1}dt\]
となります。
コーシーの余剰項
余剰項は、
\[R_n=\frac{f^{(n)}(\xi)}{n!}(x-a)^n\]
こちらのコーシーの余剰項が有名です。ただし、\(\xi\in I\)です。積分形の余剰項からコーシーの余剰項を導いてみます。まずは積分の平均値の定理を導出します。閉区間\(I\)において、連続な関数\(g:\mathbb{R}\to\mathbb{R}\)の最大値を\(M\)、最小値を\(m\)とすると、
\[m\le g(t)\le M\tag{2}\]
が成り立ちます。(2)に\(I\)において常に符号が一定の関数\(h:\mathbb{R}\to\mathbb{R}\)を掛けて、積分します。
\[m\int_a^xh(t)dt\le \int_a^xg(t)h(t)dt\le M\int_a^xh(t)dt\]
今回は、常に\(h\ge0\)で取ります。\(h\le0\)の場合は、不等号の向きが変わったりしますが挟まれていることが重要でこの後の証明に不都合はありません。
(i)常に\(h\neq0\)とは限らない場合
3辺を
\[\int_a^xh(t)dt\gt0\]
で割ります。
\[m\le\frac{\int_a^xg(t)h(t)dt}{\int_a^xh(t)dt}\le M\]
\(g(t)\)は連続である為、中間地の定理より、\(m\le k\le M\)となる任意の\(k\)について、\(g(\xi)=k\)となる\(\xi\in I\)が存在するので、
\[\frac{\int_a^xg(t)h(t)dt}{\int_a^xh(t)dt}=g(\xi)\]
\[\int_a^xg(t)h(t)dt=g(\xi)\int_a^xh(t)dt\]
(ii)常に\(h\neq0\)の場合
\[\int_a^xg(t)h(t)dt=\int_a^xh(t)dt=0\]
なので、任意の\(g(\xi)\)において、
\[\int_a^xg(t)h(t)dt=g(\xi)\int_a^xh(t)dt\]
が成り立ちます。以上から、連続な関数\(f\)、一定の符号の関数\(g\)において、
\[\int_a^xg(t)h(t)dt=g(\xi)\int_a^xh(t)dt\]
となる\(\xi\)が存在します。
\[R_n=\frac{1}{(n-1)!}\int_a^xf^{(n)}(t)(x-t)^{n-1}dt\]
について、
\[g(t)=f^{(n)}(t),\ h(t)=(x-t)^{n-1}\]
とすれば、\(g(t)\)は少なくとも連続であり、\(h(t)\)の符号は一定なので、積分形の平均値の定理が使えます。
\[R_n=\frac{f^{(n)}(\xi)}{(n-1)!}\int_a^x(x-t)^{n-1}dt=\frac{f^{(n)}(\xi)}{(n-1)!}\int_a^x\frac{d}{dt}\frac{-(x-t)^n}{n}dt\]
\[R_n=\frac{f^{(n)}(\xi)}{n!}(x-a)^ndt\]
これでコーシーの余剰項が導けました。