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微分積分学の基本定理
このページでは微分積分学の基本定理について説明したいそのために前知識が必要なので聞いてほしい。
上の図のような\(x\)軸、\(y\)軸、\(f(x)\)、\(x=a\)で囲まれた部分の面積を表す関数\(F(a)\)を定義する。
上の図の水色の部分の面積を
\[\int _{a}^{b}f(x)dx\]
と定義する。すると
\[\int _{a}^{b}f(x)dx=F(b)-F(a)\]
と書くことができる。ここまで\(F(a)\)とか\(\int _{a}^{b}f(x)dx\)とか良くわからない記号が出てきたが、定義しただけなのでまだよく分からなくて大丈夫。記号の意味でなく、その記号がどこの面積を示しているか理解してほしい。
/*余談
定義ってなんだややこしいと感じるかも知れなが、例えば、鉛筆が定義されていなくてなかったらどうなるだろう。ボールペンやマーカーなどとどう区別を付けようか。誰かに鉛筆を持ってきてもらうのに「筆記用具で消しゴムで消せるもの」持ってきて、と伝言しなくてはならない。ちょっと長いな。えんぴつと呼ぶことにしよう!何かを共有するため、相手にすぐ分かってもらうために定義は必要なのだ。上の図の例でいうと\(f(x)\)、\(x=a\)、\(x=b\)、\(x\)軸で囲まれた部分の面積って書くのは長いので\(\int _{a}^{b}f(x)dx\)と書くことにしたそれだけである。
終わり*/
微分というものがあって。
\[\frac{d}{dx}f(x):=\lim_{\varDelta x \to 0}\frac{f(x+\varDelta x)-f(x)}{\varDelta x}\]
と定義(そのように定める。)されている。\(:=\)は定義しますよ。って意味で\(=\)と同じ。
\[\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(x)dx\]
関数を積分して微分するこんなのも計算できるのか?計算していこう。
\[\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(x)dx=\frac{d}{dx}(F(x)-F(a))\]
\[=\lim_{\varDelta x \to 0}\frac{(F(x+\varDelta x)-F(a))-(F(x)-F(a))}{\varDelta x}\]
おお~いい感じに計算できそう!
\[=\lim_{\varDelta x \to 0}\frac{F(x+\varDelta x)-F(x)}{\varDelta x}\]
ここからどうしたらいいんだ。いきずまったムネン。。。大丈夫まだいける。
今まさにこの状況、水色の部分の面積\(F(x+\varDelta x)-F(x)\)をどう求めるか。\(0\le \delta\le 1\)を満たす\(\delta\)を使って
\[F(x+\varDelta x)-F(x)=f(x+\delta\varDelta x)\varDelta x\]
と表せる。右辺は底辺\((\varDelta x)\times\)高さ\((f(x+\delta\varDelta x))\)をしているだけ。上の図を見ると、右辺が\(\delta=\)1の時は水色の部分の面積より大きい\(\delta\)が小さくなるにつれ一致しそうだ。これで\(\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(x)dx\)を求めることができる。
\[\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(x)dx=\lim_{\varDelta x \to 0}\frac{F(x+\varDelta x)-F(x)}{\varDelta x}\]
\[=\lim_{\varDelta x \to 0}f(x+\delta\varDelta x)\]
\[\frac{d}{dx}\int_{a}^{x}f(x)dx=f(x)\]
これを求めたかった微分積分学の基本定理である。この式は関数を積分して微分すると元の関数に戻ることを意味する。積分と微分は掛け算と割り算のような関係である。
更に以上の結果から\(\int_{a}^{x}\frac{d}{dx}F(x)dx\)も解くことができる。
\[\int_{a}^{x}\frac{d}{dx}F(x)dx=\int_{a}^{x}\lim_{\Delta x \to 0}\frac{F(x+\varDelta) x-F(x)}{\varDelta x}dx\]
\[=\int_{a}^{x}\lim_{\varDelta x \to 0}f(x+\delta\varDelta x)dx\]
\[=\int_{a}^{x}f(x)dx=F(x)-F(a)\]
さっきは積分した関数を微分して元の関数に戻ることを確認したが次は逆で関数を微分して積分した。この場合は元の関数にはならなかった。上の式の\(-F(a)\)は\(x\)に依らない定数であり、積分定数と呼ばれる。関数を微分して積分した場合は元の関数+定数の不定性がある。\(f(x)\)に対応する\(F(x)\)が分かっているとき決めた範囲で\(f(x)\)と\(x\)軸の面積を求めることが出来るという非常に強力な性質である。簡単な例でやってみよう、\(f(x)=2x\)と\(F(x)=x^2\)である。ベクトル解析のところで別の表現があるのでそちらのほうがわかりやすいかもしれない。
水色の部分の面積Sを求めてみよう。
\[S=\int_{1}^{2}2xdx=2^2-1^2=3\]
と分かる。今回はここまで。